日持ち保証システムモデル実証事業

についての意見・情報の募集
 
平成16年5月15日
財団法人日本花普及センター
 
 
 財団法人日本花普及センターでは、近年の切花の品質管理に対する関心の高まりを受けて、適正な品質管理の下に流通した切花を自信を持って消費者に提供し、消費者は安心して買うことが可能な切花の日持ち保証に必要なシステムについて検討するため「日持ち保証システムモデル実証事業」を実施しているところです。
 この度、平成15年度の事業の概要を公表するとともに、下記のとおり関係者からの意見・情報を募集いたします。いただいた意見・情報は、今後の本事業の実施と切花の日持ち保証についての検討の参考とさせていただきます。
 
 
<意見・情報の募集について>
 
1 意見・情報を募集する項目
「日持ち保証システムモデル実証事業の概要」の「5 意見・情報を募集する事項」をご覧下さい。
 なお、文末に主な事項についてのQ&Aを添付してありますので、意見・情報の提出にあたっての参考としてください。
 
2 意見・情報の提出方法
(1)インターネットによる提出
センター(jfpc@jfpc.or.jp)にE-mailを、
(2)郵便
〒103-0004 東京都中央区東日本橋3−6−17 山一ビル4階
(財)日本花普及センター内 企画調査部 宛てに、
(3)FAX
センター(03−3664−8743)に
 お送り下さい。
 
3意見の提出締切日
 平成16年6月15日(火)(郵便の場合は、当日消印有効)
 
日持ち保証システムモデル実証事業の概要 
 
(目 次)
 
1 本事業について
 
2 試験の方法
 
3 試験の結果
 
4 平成16年度の事業計画
 
5 意見・情報を募集する事項
 
 
参考 切花の日持ち試験に関するQ&A
 
 
資料1 日持ち保証試験の品質チェック項目及び判定基準
 
資料2 試験室試験の結果一覧
 
資料3 試験室試験における品種別の日持ち日数
 
資料4 試験室試験における産地別の日持ち日数
 
資料5-1 消費者試験の結果一覧
 
資料5-2 消費者へ試験を依頼するに当たっての約束事項
 
資料6 試験室試験の日持ち日数と消費者試験の日持ち日数
 
1 本事業について
 
 本事業は、財団法人日本花普及センターが平成15年度より農林水産省の補助事業として実施しているものです。
 この事業では、近年の切花の品質管理に対する関心の高まりを受けて、適正な品質管理の下に流通した切花を自信を持って消費者に提供し、消費者は安心して買うことが可能な切花の日持ち保証に必要なシステムについて検討することとしています。
 初年度である平成15年度は、主に切花の日持ちについて議論する際の共通言語になる切花の日持ち試験の試験条件及びバラ、シュッコンカスミソウ、トルコギキョウの3品目の観賞価値がなくなったと判定される基準(日持ち終了の判定基準)について検討を行いました。
 検討にあたっては、試験室の温度、照度等を一定に維持管理しつつ、花きの形状変化を観察する試験室試験を実施するとともに、消費者にも家庭での花きの形状について観察していただく消費者試験を実施し、それぞれの結果を参考としました。
2 試験の方法
 
(1)試験室試験
    試験室の温度、照度等を一定に維持管理しつつ、花きの形状変化をデジ   タルカメラにより定期的に記録しました。
・試験品目:バラ、シュッコンカスミソウ、トルコギキョウ
・試験期間:平成15年8〜9月(夏)、平成15年10〜11月(秋)、
      平成16年1〜2月(冬)
・試験経路:産地(各品目の主要産地)〜市場(東京都中央卸売市場      大田市場、大阪鶴見花き地方卸売市場)
・試験室を整備して、試験に協力していただいた花き卸売会社:
      株式会社大田花き
      株式会社フラワーオークションジャパン(FAJ)
株式会社なにわ花いちば
・試験総数: 83件  バラ:35品種43件
 シュッコンカスミソウ:7品種19件
 トルコギキョウ:12品種21件
 
1)日持ち試験を行う試験室の環境条件
  日本における居住環境を想定し、次のような環境条件を設定・管理  しました。
・温 度:周年25℃とする。
・湿 度:必ずしも完全にコントロールすることはできないが、     60%を目安とする。
・照 度:蛍光灯下で1000ルクス程度
・日 長:12時間(6:00〜18:00まで照明)
・記 録:自動温・湿度記録装置を常時稼働する。
     なお、本試験に併せて採花から花き卸売市場までの温度を追跡調査し    ました。
 
   2)試験対象花材の処理
 試験対象は、湿式流通されている切花のうち、バラ、シュッコンカスミソウ、トルコギキョウを対象としました。
  試験開始時間:花き卸売市場に入荷後、通常のセリが終了する午         前10時頃に試験室に持ち込み、試験を開始する。
  花材の処理:切り戻しは行わない(なお、乾式輸送の花材の場合        は、切り戻しを5cm程度、よく切れる刃物で行う。)。
  花材の規格:バラ60cm、シュッコンカスミソウ60cm、        トルコギキョウ70cmを基本とし、茎下から20         cmの葉は取り除く。
  試験本数:1試験区(花ビン)の入れ本数は、次のとおりと         する。また、試験区は5本の場合に2連、2本の場合        に3連で実施し、各花材個体には連番号の識別ラベル        を貼る。
バラ:スタンダード 5本  スプレー2本
シュッコンカスミソウ:2本 枝わけした場合5本
トルコギキョウ:5本
 
3)用水の分析・管理
@輸送用のバケットの用水
 試験開始時に簡便法(ペトリフィルム一般生菌数測定法)による細菌数の分析を行いました。
A試験花ビンの用水
「バケット低温流通を核とした切花品質管理マニュアル」(新花き生産流通システム研究会編)に即して、糖と抗菌剤含む小売店用の後処理剤を使用しました。
用水の量は、当初1リットルとして、その後、深さが半分以下になった時、当初の満水面まで補給しました。
 試験開始時に簡便法(ペトリフィルム一般生菌数測定法)による細菌数の分析を行うとともに、試験開始後、用水の濁り等の変化が生じた場合は同様の細菌数の分析を行いました。
 
4)試験対象花材の観察・記録
 原則として、試験開始時から毎日2日毎に午前10時頃行う(デジタルカメラの撮影も行う)とともに、花材の品質・形態に重要な変化が生じた場合には、必要に応じて頻度を高めることとしました。
 花材の品質・形態の変化については、資料1の品質チェック項目に基づき記録しました。
 デジタルカメラの撮影は、対象花材全体を側面及び上面から撮影するとともに、花材の品質・形態に重要な変化が生じた場合は、必要に応じて花弁や葉等の部分撮影も行いました。
 観察・記録の期間は、花材の商品価値がなくなったと判断した日の翌日までとしました。
 
5)試験対象花材の生産者等の選定
 選定に当たっては、本事業の試験実施計画を参考に、各花き卸売会社が選定しました。その際、原則として、「バケット低温流通を核とした切花品質管理マニュアル」(新花き生産流通システム研究会編)に即して採花・出荷等を行っている生産者等から選定しました。
 
(2)消費者試験
    試験室試験の1〜2月時の試験と並行して、FAJでの試験室試験に用   いられた同一ロットのバラ、トルコギキョウについて実施しました。
 方法は、21人の消費者に、市場→生花店→消費者と流通した花材5本を家庭の1カ所に飾ってもらい、2日に1回、ほぼ定時に、資料1の品質チェック項目に基づき花材の状況を記録するとともに、カメラで撮影をしてもらいました。
 生花店及び家庭では、試験室試験で使用した後処理剤と同じものを使用することとし、切花には温度センサーを装着し、温度の変化を追跡記録しました。
 また、生花店及び消費者へのアンケートも実施しました。
    資料5−2は、本試験を行ってくださる消費者に試験を依頼するに当    たっての消費者との約束事項です。
 
3 試験の結果
 
 (1)試験室試験の結果
 試験室試験の結果の概要は、資料2、資料3及び資料4のとおりです。
 @ 品種別の日持ち日数についてみると、各品目ともばらつきが見られ(資料3)、同じ品目でも品種によって日持ち日数が大きく異なることが伺われます。
 A 産地別の日持ち日数について、複数の産地のものが試験されている品種をみると(資料4)、バラ(ローテローゼ)の10〜11月の試験において各産地とも同程度の日持ちをしてるものの、他の品種、試験時期についてはばらつきが見られます。これは、各産地の気象条件、栽培方式、出荷時の切前条件等が異なることによるものと考えられます。
 B 試験時期別の日持ち日数について、同じ産地の同一品種が2つ以上の時期に試験されているものをみると(資料2)、静岡県藤枝市産のバラ(ローテローゼ)の日持ち日数が、10〜11月の試験で12.9日、1〜2月期試験で13.4日、福島県大沼郡産のシュッコンカスミソウ(ブリストフェアリー)が8〜9月の試験で11日、10〜11月の試験で10日となっており、この2例を見る限りでは、試験時期の違いで日持ち日数に大きな差が出ていません
 以上のように、切花の日持ち日数は、品種、産地の違いでばらつきが見られることから、切花の日持ちを検討するにあたっては、これらの違いを考慮して行う必要があることが伺えます
 
 
 (2)消費者試験の結果
 消費者試験の結果の概要は、資料5のとおりです。
 花の飾り場所は、玄関が20人中6人と最も多く、次いでリビングルーム5人、その他は寝室、ダイニングルームなどで、17人が直射日光の当たらない場所に飾っています。
 また、15人が通常は加温していない場所に飾っており、飾り場所を通常加温していた5人については、終日の加温ではなく、1日当たりの加温時間は1時間程度から10時間程度までとなっています。
 
 (3)1〜2月の試験室試験と消費者試験を通じた総括
@試験室試験の日持ち日数と消費者試験の日持ち日数について(資料 6)
 7品種(バラ4品種、トルコギキョウ3品種)中5品種(バラ4品種、トルコギキョウ1品種)について、消費者試験の日持ちと試験室試験の日持ちについて大きな差が見られず、その差も各品種とも1日に満たない結果となっています。
 こうしたことから、特にバラについては、試験室試験で設定した環境条件(2の(1)の1)が消費者段階での日持ちを知る上で有効なものであることが伺えます
 
    A本試験の判定基準と消費者の主観について
 本試験に協力して下さった消費者に対して、本試験の判定基準による日持ち終了日の他に、消費者の主観による日持ち終了日も聞いたところ、両方の日持ち終了日を回答したのが15人でした。
 このうち、
 ・10人の個人の観賞価値判断による日持ち日数が、日持ち終了  の判定基準(資料1)による日持ち日数を概ね1〜3日上回っ  ている。
 ・個人の観賞価値判断による日持ち日数が、日持ち終了の判定基   準による日持ち日数より短い5人については、4人についてそ  の差は1日に満たない。
という結果となっています。
 これらことから、本試験の日持ち終了の判定基準は、消費者段階での日持ち保証する上で有効なものであることが伺えます
4 平成16年度の事業計画
 
 平成16年度の事業については、下記のとおり計画しています。
 ・5月15日〜6月14日−15年度事業の概要の公表と意見、情報の募集
 ・6月下旬−第1回検討委員会
 ・7月〜8月−夏の試験実施
 ・9月−第2回検討会
 ・10月〜11月−秋の試験実施
 ・12月〜1月−冬の試験
 ・2月−第3回検討委員会
 
5 意見・情報を募集する事項
 
 以上の本事業の概要について、次の事項に関する御意見、情報を募集いたします。
 (1)試験室試験の試験室の環境条件に関するもの
@試験室試験の試験室の環境条件は次のとおりです。
・温 度:周年25℃とする。
・湿 度:必ずしも完全にコントロールすることはできないが、60%     を目安とする。
・照 度:蛍光灯下で1000ルクス程度
・日 長:12時間(6:00〜18:00まで照明)
AQ&Aに試験室試験の試験室の環境条件を決めた理由も明らかにしていますので参考にして下さい。なお、試験室試験の環境条件の決定については、「一般の家庭の環境条件と比べてどうか」という視点が重要です。その意味で、一般の家庭の環境条件についてのデータをお持ちの方は是非提供して下さい。
 
(2)(1)以外の試験室試験の方法及び消費者試験の方法に関するもの(「2(1)及び(2)」の項を参照して下さい。)
 
 
(3)バラ、シュッコンカスミソウ、トルコギキョウの切花の品質チェック項目及び日持ち終了の判定基準に関するもの。(資料1を参照して下さい。)
 
(4)バラ、シュッコンカスミソウ、トルコギキョウのほかに、日持ち終了の判定基準を作成する必要のある品目について
@ あともう1〜2品目の判定基準を作成するとしたらどの品目にすべきとお考えですか。その理由も明記して下さい。
A 3品目以外で、研究等の一環で日持ち終了の判定基準を作成した、 または作成中のものがありましたら、その基準を教えて下さい。
 
(5)その他本事業全般について
 
 なお、参考に主な事項についてのQ&Aを添付してありますので、意見・情報の提出にあたっての参考としてください。